新築VS中古 不動産投資会社を徹底比較

中古マンション投資会社と新築自社ブランド不動産投資会社の違い

不動産投資会社は大きく分けて次の2タイプ:
① 新築・自社ブランド系(開発販売型)
② 中古マンション系(再販仲介型)

この2つは、利益構造・リスク・投資家メリット・営業姿勢が根本的に異なります。以下で体系的に整理して説明します。

1. 両者の立ち位置(ざっくり比較)

観点 新築・自社ブランド系 中古マンション系
代表的な会社 トーシンパートナーズ、FJネクスト、プロパティエージェント、グローバルリンク、シーラ、日商エステム GAテクノロジーズ(RENOSY)、インヴァランス中古事業、リズム、クレアスライフ
ビジネスモデル 自社で土地を仕入れ → 新築開発 → 自社ブランドで販売 既存マンションを仕入れて再販 or 仲介(低価格・高利回り)
営業スタイル モデルルーム・セミナー・ブランド訴求型 データ比較・利回り・シミュレーション提案型
ターゲット層 初心者〜中堅層(年収500〜1000万円) 中堅〜上級層(経験者・複数所有者)

2. 投資家視点での「ギフト券あり/なし」の見分け方

項目 新築ブランド会社 中古マンション会社
物件価格 高い(建築費+人件費含む) 安い(市場相場ベース)
利回り(表面) 3〜4%台 5〜7%台
立地 駅近・都心好立地(ブランド価値重視) 都心~郊外まで幅広い(利回り重視)
入居率 高い(新築需要あり) 地域差が出やすい
流動性(売却しやすさ) 高い(築浅・ブランド価値) 価格調整すれば売却容易(投資家市場活発)
減価償却 取れにくい(築浅のため) 築年によって償却費が大きく取れる(節税向き)
節税効果 限定的(建物価格の割合が低い) 高い(建物比率・築古償却で赤字作りやすい)
キャッシュフロー 小さい(ほぼトントン) 出やすい(利回り高い)
管理手間 低い(サブリース・管理委託中心) 物件により管理対応が必要
出口(売却) 売却価格が安定(築浅・ブランド) 築年劣化による下落が早い
顧客満足の軸 「安心・長期安定」 「収益・効率・節税」

3. 投資家から見た「目的別の向き・不向き」

投資目的 向いているタイプ 理由
長期安定・老後年金代替 新築ブランド系 修繕リスクが低く、入居の安定性が高い。
短期間での節税・キャッシュフロー重視 中古マンション系 減価償却額や利回り、利益幅が大きい。
初心者(ローン組みやすい) 新築ブランド系 銀行融資が通りやすく、説明が明確。
経験者・法人投資家 中古マンション系 複数物件保有や法人節税に適している
キャピタルゲイン狙い 新築 or 再販時の中古 都心新築は価格維持しやすく、再販出口を狙える。

4. 不動産投資の“タイプ別おすすめ戦略”

実際のコンサルティングでは、次のように「目的・年収・リスク許容度」で選別します。

タイプ 適した投資家像 推奨戦略
新築ブランド型 年収500〜900万円/会社員/投資初心者 都心の1Rまたはワンルーム2戸を保有し、長期運用と保険代替
中古再販型 年収800万円〜/経験者/節税意識高い層 築15〜25年のRC(鉄筋コンクリート)物件を複数保有し、減価償却とキャッシュフロー重視
ミックス戦略 高年収・複数棟保有者 新築に加えて中古物件で利回りを追求する段階的な戦略

5. まとめ:構造で見る「両者の本質」

観点 新築ブランド 中古マンション
本質 ”安定と信頼”を提供するビジネス ”効率と収益”を重視したビジネス
顧客心理 「損したくない」という安心志向 「もっと稼ぎたい」という収益志向
企業戦略 ブランド構築と管理ストックの拡大に注力 回転率や仕入れ目利き力を重視
投資の性質 長期運用・年金代替・相続対策に適している 短中期運用・節税・収益重視に適している

6. 一文でまとめるなら

新築ブランド系は「安定と信頼の長期投資」、
中古マンション系は「高利回り・短期回収型の効率投資」。